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「とうとう今日という日が来てしまいましたね・・校長・・」
「とうとう今日という日が来てしまいましたね。教頭」
私立カトレア高等学園。生徒数が五千人も越える少子化の現代社会がビビるような超巨大マンモス校の校長室で二人の中年が眉間に皺を寄せていた。
片方は好々爺とも言える憎めなさそうな優しげなバーコード頭で出っ張ったお腹がチャームポイントらしい。
もう一人は非常に細身で今にも倒れそうな白髪頭のこちらも優しげな眼鏡の中年。よれよれのスーツが哀愁を誘う。
「校長・・うちは自主性と自由を重んじる学校として創立者であるカトレア女史の理念を大切にしたいと思いますが・・」
「言いたい事はわかるよ。柿曽根くん・・」
細身の教頭柿曽根を見ながら太身の校長は目の前にある生徒二人の顔写真と履歴書を見る。
「・・・まさか生ける伝説である二人が入るとはおもわなんだ」
「ええ・・片方は配下数千人を従える女暴走族の総長」
「もう一人は動けば必ず半死人の山が出来ると言われる恐怖の少年」
二人は胃薬を取り出すとお互いにこりと笑い飲み込んだ。
履歴書にはこう記されていた。
安斎黒真
静崎紅
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