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目が覚めるとオカンが勝手に部屋に入ってきて俺を揺すっていた…
どうやらさっきまでの出来事は夢だったらしい。
どうせ夢ならあの綺麗な姉ちゃんに色々してみたかったのに…
今目の前にいるのは親父が蒸発して俺にすがりよる事しか出来ないオカンだ。
「おぃ!何勝手に部屋に入ってきてんだょ!メシとジャンプならドアの所置いとけって言ってんだろ?」
オカンはビクビクしながら俺にジャンプを渡す
毎週月曜日はジャンプがなくちゃ始まらねぇ
近くのコンビニで深夜店員をしているオカンは朝コンビニにジャンプが並ぶ時間(早朝6時)に欠かさず俺用のジャンプを他の客に買われて売れきれないように仕入れと同時に裏に持って行き仕事終わりに買い、家に戻ってきては真っ先に俺の部屋の前にメシと一緒に神への供えみたいに置いてドアを叩く
因みにメシはコンビニの廃棄だが捨てたもんじゃねぇ。
コンビニの店員仲間の間ではオカンのそのジャンプを我先にストックしている姿は異様に映るらしく
『ジャンプの母』とそのままのネーミングで呼ばれているらしいが俺もオカン本人もそんな事は知らない。
「だって…今日は貴方の16歳の誕生日…家族で朝ごはんが食べたくって…」
「うっせぇな!ケーキはあんのかょ?なかったら容赦ねぇぞ!ゴラッ」
この歳になっても誕生日ケーキは食べたい物である
「も…もちろん用意してあるわ…それと話があるの」
「んだと?ゴラッ?まさか学校行けなんて言うんじゃねぇだろうな?!あぁん?」
「ち…違うわ、実はお父さんの事で…」
「あぁ゛親父だと?!親父は
俺が小さい時に蒸発してから帰ってこねぇじゃねぇか?!」
聞いた話じゃ一応サラリーマンだったらしいがしょっちゅう仮病を使い休みを決め込んでいたらしい…
俺の引きこもりは親父由来の物だろう。
だがそんな親父はある日突然家を出て行った。
俺達を置いて…
あんなに大事にしてたガンプラを置いて…
俺は寂しさを紛らわす為に親父の帰りを待ちながらガンプラで遊んでたら気が付いた時にはニートになっていた…
だから俺は俺を引きこもりのニートになるキッカケを与えた親父を恨んでいる
(親父が置いて行ったガンプラは今や相当の値がつくらしく俺の大事なコレクションになっているが…)
そんな親父の話なんかサラサラ興味はなかったので今日まで内弁慶でオカンと母子家庭でやってきた。
なのに今さら何の話があるって言うんだよ?
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