3章

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「・・・私ですか?私も19ですよ。斎藤さんは落ち着いているから、てっきり私よりも上だとばかり思っていました」 「・・・なっ、それは。俺からしてみれば、つくられた笑顔で固めた桜木の方が年上かと思って・・・」 「・・・それなのにあの態度ですか?つくられた笑顔って・・・。酷い言いようですね」 「しっ仕方ないだろう。・・・その、敬語はやめてもらえるか?どうせ、同じ歳だ。そう改まることもないだろう?」 「そうですか?」 「ああ。頼むからやめてくれ」 「・・・分かった。フフッ、なんか嬉しいな。こんなに何も気にしないで話せる同級生って、斎藤さんだけかも知れない」 「・・・やっと、笑ったな。つくらなくても、今みたいに笑ってれば良い。笑いたくない時は、無理に笑うな」
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