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 気合いの入った声に続いて、ピシュッとチャクラムが芦名ちゃんの指から投擲された。そのまま一直線に壁に向かって──  ──スコ。  半分ぐらいが静かに壁に突き刺さった。 「お、おぉおおぉ…………」  吃驚と言うか唖然と言うか何と言うか。俺はただそう言うしか出来なかった。 「どうですか?」 「危ないな」 「そうですか?」 「むしろ、あれだけ壁にサックリ刺さった代物を危なくない。とか言えるのか」 「銃に比べたらまだまだです」 「気付け! それは比べる基準がおかしい! 普通、銃もあんな危ない刃物も日本人は持っていない!」  てか、なんでこの子は、こんな物を持っているんだろうか。大人が持っていても目立つ物だろうに、こんな風に腰に引っ掛けて街中を歩いているのは考えにくい。考えにくいと言うか、あり得ないと思う。  俺がそう考える隣、芦名ちゃんはベッドが降りて、壁にあるチャクラムを抜こうとする。が、ベッドの上から投げてしまったから、高い位置に刺さってしまって、彼女の身長では届かない。 「てか、跳び跳ねて取ろうとするのは危ないから!」  何とか手を届かせようと、ピョンピョン跳び跳ねている訳だが、刃に手が当たりそうになるので、見ている俺としては気が気でない。
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