第一幕

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ふと目を覚ますと良く見慣れたオレの部屋 天井に伸ばされたオレの手をぼーっと見詰める 「…………夢、か」 しかし、夢にしては鮮明で まだ温もりの残る手の平をギュッと握って腕に目を押し付けた 「……類」 呼べば、来てくれる、はずなんてない でも無性に、この名を呼びたくなった オレが愛した人の名を 『苓、好きだよ』 最後に残された言葉が頭の中で暖かく響く 「そこはフツー『愛してる』だろ…馬鹿類」 ボソリと呟いて少し笑う 「オレも好きだよ」 ふわりと亜麻色が微笑んだ気がした .
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