ラブストップ

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強い北風が、ガラス窓を叩いた。 外は牡丹雪が舞っている。 卒業式も終わったのに、寒い日々が続いていた。 美術室の端っこ。 俺は筆を握り締め、目の前のキャンパスを見つめている。 今日で、数度目かの考え事をしていた。 「笹山(ささやま)ぁ、ココアおかわりぃ」 背後で小説を読んでいる小宮山(こみやま)が俺を呼んだ。 振り向くと、本から目を離さずに、コップだけを高く持ち上げている小宮山がいた。 こいつは、春休みに美術室にまで来て、何で本を読んでいるんだ? 絵を描け、絵を。
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