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「あ、あ―――」
頭が……痛い。
「ん、おかしいな。これで完成の筈なんだが……」
暗い。
目が見えない。
「電圧を上げるか」
「ぎゃんっ」
一気に私の意識は覚醒した。
火花を散らすようなバチっ、という音と共に。
「ここは……?」
見覚えの無い部屋だった。
白い、病室?
いや、作業台に散乱した工具を見れば工作室か?
「おお、お目覚めか」
私は声のした方に視線を向けた。
スキンヘッドの筋肉達磨。
それが男の第一印象だった。
「汗臭い」
気が付けば私はそう呟いていた。
やれやれ、正直な唇だ。
「おいおい、随分な挨拶だな」
男は苦笑いした。
「気分は?」
「最悪」
相変わらず頭痛はするし、私の身体じゃあないみたいだ。
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