プロローグ

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それは、どういうこと? 「すまない、とは思っている。君は実験台になったのだ。生きた新鮮な脳髄。 誰とも調べようがない身元不明者。よもや成功するとは思わなかった。 ワタシは君を切り刻み、玩具にした。故に、君に判断を任せようと思う」 あのスイッチを切れば私は死んでしまう? 「もしも君が死を望むのなら、眠るような死を約束しよう。 だが、もしもやり残した事や心残りがあるなら手伝うことを約束しよう」 私は――――。 その時、私の真っ白になった脳にある映像が浮かんだ。 私の頭を撃ち抜く男。 逆光で顔ははっきり見えない。 金髪で、銃を構える右手に傷が見える。 「………ある」 よくも………。 「やり残した事が」 よくも私を殺したな。
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