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『パンドラの箱』という話を知っているだろうか。名前しか知らないという人のために、大体のあらすじを説明をさせて頂く。
ギリシア神話によれば、オリュンポスの神々が世界の頂点に君臨していた時代、地上ではその神々によって造られた人間が溢れ返っていた。
そんな中、創造を司るプロメテウスという一柱の神が人間達に火と文字を与えた事で、全知全能の神であるゼウスが怒りを露にしたのである。
ゼウスはプロメテウスを磔にし、更に苦労を知らなかった人間達に試練を課すため、他の神に命じて一人の女性を造らせた。
彼女は幾柱もの神から美貌や魅力、賢さや狡猾さを与えられ、パンドラと名付けられた。当時、地上に存在する人間は男のみであり、彼女は世界で初めて人間の女性として生を受けたのである。
パンドラはゼウスから開けてはいけないと渡された箱を片手に、プロメテウスの弟――兄の代わりに地上で人間の繁栄を手助けしていた――であるエピメテウスに出会い、二人は縁あって結婚することになる。
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