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◆ ある家の前 ◆
兎(ありす)
「大変だ、大変だ遅刻しちゃうよ、でも僕の大切な心臓はどこ行っちゃったんだい!」
羽歌
「…ハア…ハア……うさぎ……さんだ……」
羽歌(M)
「走っても走っても赤い場所。何なの、ここは。心臓だらけ!?気持ち悪い」
兎(ありす)
「おや?君はアリスかい?」
羽歌
「私は羽歌……ねぇ、この国はどうなってるの!?」
兎(ありす)
「ははん、君まさか知らないで来ちゃったのか」
羽歌
「どういうこと……?」
兎(ありす)
「僕はありす」
羽歌
「アリス?」
兎(ありす)
「この国には、アリス以外いらないんだ」
羽歌
「その意味が解らないの、どういうこと?」
兎(ありす)
「ここはね、ありすの為の心臓の国なんだよ」
羽歌
「――…え?」
兎(ありす)
「この国を、ありすを生かすために、心臓を集う場所なのさ。僕らは心臓がだーいすき。」
羽歌
「心臓が好きって…」
兎(ありす)
「心臓を煩いって思うかい?でもね、心臓がなくちゃ僕らは生きていけないんだ。だからね心臓を大切にする国。心臓を大事にしないやつは呼んで僕がはさみで切りぬいてやるのさ。でも、僕は君を呼んでない。さては迷い込んだ子かなぁ?」
羽歌
「どういう…もう、何なの!」
兎(ありす)
「だからね、心臓の意味を考えてごらんよ、迷い人のアリス」
羽歌
「意味?もう…息がつまりそう…」
兎(ありす)
「心臓はたくさん生きてきたんだ。その人生を、終わってもまた心臓は生きていたりね」
羽歌
「だから、ここは……っ!」
兎(ありす)
「ああ!いけない、遅刻してしまう!さあ、そんな話は他のアリスに聞いてくれ!!」
(走っていく)
羽歌
「ちょっと……まっ……って…いない」
羽歌(M)
「吐きそう。気持ち悪い。誰か、ここから出して」
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