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静馬「痛てっ!何しやがんだテメェ」
軽く打った後頭部を押さえながら、恨めしそうに見ると、椎名は目を閉じて、顔を近づけてきていた。
静馬「………ちっ」
俺は舌打ちをすると、彼女のおでこに思いっきりデコピンをぶちかまして、椎名の体を引き離し、学校に向かった。
椎名「っ~!」
その椎名はあまりの痛さに、その場にうずくまり、プルプルと震えていた。
静馬「おはようッス」
男子生徒A「おはよう、天宮」
女子生徒B「おはよう、天宮君」
椎名を道端に置き去りにして先に学校に着いたは、自分の教室に入り、机に向かいながら、クラスメートたちに挨拶をしていく。
クラスメートたちもそれに答え、挨拶を返してきた。
しかし、何故俺が挨拶すると女子の皆さんは頬を赤らめているんだろう。
椎名「静馬ぁーヒドいよ~……」
そんなことを思っていると、若干涙目の椎名が教室に入ってきた。
ちなみに、椎名とは幼なじみで、幼稚園から今、高校一年になるまで、ずーっとクラスが一緒である。
更に、家も隣同士ではあるが、静馬自身が椎名との登校を嫌がっている為、普段は途中、もしくは教室で会う。
静馬「うるせぇ!人を押し倒した挙げ句、キスしようとした奴に、情けは無用!!
って……なにすんだゴラァ!!」
俺が言い終わると同時に、椎名は俺の頭を抱き寄せ、自分の胸を優しく押し付けてきた。
椎名「ねぇ静馬、私を好きにしていいから、許して」
潤んだ瞳で椎名が俺を見ながら、そんなことを口走る。
その一言に、教室中が色めき立った。
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