プロローグ~出会い~

3/3
前へ
/7ページ
次へ
少女「ならばせめて!お名前だけでも、教えて下さいませんか?」 なかなか引こうしない少女が、更に声をかけてくる。 静馬「名乗る名前なんてねぇし、名乗る気もサラサラ無い」 少女「…………」 少女は俺の言葉に俯く。 静馬「まぁ敢えて言うなら」 少女「っ!はい!」 静馬「通りすがりのチンピラ。かな」 立ち止まり、首だけ動かして少女を見て、ニッと白い歯を見せて笑い、軽く手を挙げて再び歩き出した。 少女「ありがとうございました!」 そんな俺の背中に向かって、少女は頭を下げてお礼を言ってきた。 俺は振り返ること無く、何も言わずにその場を後にした。 少女「……ふふ」 俺が去った後、 少女「見つけました」 少女はポツリと、 少女「逃がしませんよ、未来の私の素敵な旦那様♪」 そう呟いて歩き出した。 この時から、 俺の中にあった大きな白紙に、 色が入り、 俺の未来が、 変わり始めたなんて、 この時の俺は、 知る由も無かった。 静馬「あ、おはぎうまそう。オジサン、おはぎ10個!」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加