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「お父さん。くさい。」
「……。」
何も言わないなんてなしだよ。
「またタバコ…。もうやめなよ。」
お父さん…お父さんはタバコの話になるとしゃべり続けていた口を閉じたよね。
さっきまであんなに勢いよくしゃべってたのに…。
すぐに口を閉じて…ふてくされた顔をしてどこかにいっちゃうよね。
それもこれもお父さんがタバコを吸ってるからいけなかったんだよ。
でも私は負けない。
だってなぜだかわからないけど…その日はいつもよりずっとタバコの匂いがきつく思えたから…
お父さんが居間に入ってきた瞬間、異様なまでに私の鼻を刺激して、なぜだかずっと離れなかったから…。
私はこれだけじゃあ引き下がらない。
「タバコ吸ってると、明日死んじゃうかもしれないんだよ。」
信じられないけど、これが私がお父さんにかけた最後の言葉だったね。
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