534人が本棚に入れています
本棚に追加
海斗の目の前には、血へど。自分が吐いた、血。
朦朧とする意識。
高笑いする不良。
「俺様に喧嘩売って、生きて帰れると思うなよ?」
同学年とは思えないほどの力の差。
吹き飛ぶ。
朦朧とする意識。
血へど。
笑い声。
怒り。
朦朧とする意識。
朦朧とする世界の中に飛び込んで来たのは、天使。
みたいな悪魔。
「この車高いんだよぉ?」
事態を呑み込む? 不可能。
「ねぇ、君、もしかして、ストーカー?」
天真爛漫な笑顔で海斗の顔を覗き込む。
可愛い顔した……。
「H2SO4だよ。これ、知ってる?」
ははは。目の前が。くらくらする。そんな情けない声を出しつつも、海斗はきょんの瞳に釘付け。可愛い……その言葉が口から出る前に、叫び声が勝手に生まれていた。
「右手……悪い子。私の車に向かって、石を投げたのよね? その右目は私のことをストーキングする為の目かしら?」
どぱどぱ。
ぎゃー。
最初のコメントを投稿しよう!