生物兵器達の成れの果て

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「こら……授業中だ……ぞ」 教師の声も弱々しく、咲哉の一瞥でその声さえも無に帰す。 「俺になんの恨みがあんだよ?」 「ないよ。別に」 意外な返答。溜飲は収まらない。更に畳み掛ける。 「ならテメェそれなりの覚悟はあるんだろうな!?!?」 「ぷははっ。覚悟ぉ? 笑わせないで下さいよ」 あどけない咲哉の笑い声だけが教室に響く。 柊人は掴み掛かった。 ざわめく、教室。 「ふざけんなよ?」 「暑苦しいですよ」 そっと袖の下を握る咲哉。 捻り、巻き込み、地に伏し倒す。 つもりだった。 「足腰だけは無限に鍛えてんだっつの」 想定内の想定外。 咲哉は無言で柊人を教室の外へと連れ出した。 屋上へと向かうと橋本恭子、きょんが居た。 「な……」
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