生物兵器達の成れの果て

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…………………………………… 「くそ……うう……ぐぞっ!!」 地面を叩くも、事態はなにも変わらない。 夢は、潰えた。 医者の言葉。 「恐らく……その水泳の大会には、間に合いません」 全国を目の前にしての、この言葉。 ベッドが軋む。 その後、医者が去り、海斗はふと自らに巻いてある包帯をずらして見た。 「ッッッ!?!?!?」 見るも無惨な顔と腕。 こんな姿で、全国の聴衆を前に泳げる訳がない。 窓に手を掛ける。 小さく途中までしか開かないその窓は、海斗を阻むのには十分の狭さだった。 海斗は、喋ることを放棄した。 それから退院したのは、3日後のことである。 家に着いてまず行ったのは、検索。 『絶望 自決』 特に考えることもなく、とあるサイトへと何気無く入る。 『あなたは4444人目の訪問者です』 画面を粉々にしてやりたい衝動を難なく抑え、海斗は画面へとかじりついた。
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