生物兵器達の成れの果て

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…………………………………… ――き……ろ」 (ん?) 「起きろ」 目を開けると、見たことのない景色。 (誰だコイツ……) 歓びの声が男の頭に耳鳴りを与える。 「うっせぇんだよ!!」 「おぉぉ!!」 「ハッハッハッ。なんと素晴らしい!!」 男のことなどお構い無しに話は進んでいく。 (ここはなんだ? コイツら医者か? もしかして……) オペ室のような場所。男は仰向けになり医者のような者達に見下ろされている。 (俺は……誰だっけっか……) 「コイツの名前どうしようか?」 誰かが男を指差す。 「魚だろ? それにここには泳ぐのが好きって書いてあるから……」 「魚拓泳太郎なんてどうだ!?」 一瞬にして笑いが広がり、どうやらその原因が自分にあると分かり、あからさまに顔をしかめる男。 (……泳ぐ?) 「まぁ名前なんてどうでも良いさ」 (名前?) 男は仰向けのまま思考する。 「もう麻酔も切れてるはずだ。動かしてみないか?」 まるで自らの存在がラジコンかロボットであるかのように扱われていることに、男は気付いていなかった。 「あ……う……あ゛」 「記憶障害か?」 「いや、一時的な思考回路の麻痺か幼児退行だろ。すぐに治るさ」 (俺は……俺は……)
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