巡る歪み廻れ廻れ

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「無駄な時間を……」 アインスは強く腕を引き、攻撃的な前傾姿勢。 昴は地面を強く蹴った。 「おぃ、俺がなんともなしにこんな茶番に付き合うとでも思ってたのか?」 「アインス止まれぇぇぇぇ!!!! 紙吹雪が―― ライターを投げ捨てた菅原。 「気を付けろよ? 病み付きになるぜ?」 アインスは誘い込まれていたのだ。 若干、水分を含んでいた紙吹雪は、殆どが塊の様になって地面に落ちていた。 燃え上がる、地面。 冷静になったり、馬鹿をやったり、掴み所のないようで、始終主導権を握られていたのだ。 一瞬上がった火柱に、獣の本能なのか完全に怯む。 「ほら……じきに病み付きになる」 意味あり気な菅原の台詞。 「まさか!?!?」 ドライは思考をフル回転。ただの油ではないのか。そもそも燃えると有毒になるものなのか。2人はヤク中であり紙吹雪は実は燃焼麻薬なのか。 しかし そんな思考は全て 無意味。 「バーカ、ただの紙だっつの。仕掛けをしたのはライターだよ」 つまりは 虚を突かれて完全にがら空きになったドライの腹部へと、元祖菅原のメリケンが炸裂したのだ。 ドライは咄嗟に顔面を隠した。それは昴が顔面を狙うフェイクをして菅原を視界から消した為。 ドライはそのまま勢い良く吹き飛び、壁へとその身を委ねた。
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