鎖縛

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もうすぐ4月、春を迎えようとしているのに、こっちはまだ雪が残っている。寒さもまだまだ厳しく、気持ちの上では当分冬であろう。 冬は嫌いじゃない。というよりは雪が好きだ。雪は音を吸収する。景色を白く染め上げる。寒気のせいかあらゆる臭いも沈下する。聴覚・視覚・嗅覚を一夜にして狂わせてしまう。まるでそこは別世界。雪の積もる夜というのは、なんともいえない独特な感覚を持っている。まるでそれは混沌の闇に引き込まれていくかのように。
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