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俺は溜め息をつきながら言った。
「う、まあ確かにそうだけど…」
だろ?分かったならさっさと帰…
「とにかく、アンタの席の隣、今空いてる?」
何でだよ?俺はお前と一緒になんか座りたくなんか無いのだが…
「他の所の席が全部埋まってるのよ。それに友達もいるし…」
友達、ねぇ…。
「しゃあねぇ、そういう事なら良いよ。海戸も良いよな?」
「ああ。そもそも何で断らないといけないんだよ?」
「だそうだ。お友達の方は海戸の隣に座ってくれ」
そう俺は御坂美琴とその後ろにいるであろう御坂のお友達へと向かって言った。
「ありがと。じゃあ座りましょ佐天さん」
「あ、はい!そうですね。…あの、ありがとうございます」
そう佐天さんと呼ばれた女の子は俺達に言ってきた。
「なあに気にすんなよ。御坂だけならともかく、その友達が困ってるってんだから当たり前の事だ」
俺はそう笑顔で返す。
「は、はい♪」
佐天さんはようやく笑顔になった。
「アタシだけならってどういう事よ?」
御坂は眉をひくつかせながら言ってきた。
「御坂よ、気にしたら負けだぜ?それにこんな所でビリビリなんてするなよ?」
「なっ…、くっ、分かったわよ」
流石の御坂も分かったようだ。なんか初めて御坂に口で勝った気がする。
それからというもの、俺と海戸と御坂と佐天さんの4人でしばらくの間会話をしていた。
「あの、涼風さんと高崎さんってどんな能力を使えるんですか♪」
と、目をキラキラと輝かせながら佐天さんは俺達に聞いてきた。
先に海戸が答える。
「俺の能力は『発火能力』。レベルは3だ」
続いて俺も答えた。
「俺は『風力使い』。レベルは2だな」
「お二人とも凄いですね。それにしても、風力使い、か…」
なんか引っかかったようだ、どうしたんだろうか?
気になった俺は佐天さんに話しかけた。
「どうしたんだ?いきなり考え出したりして」
そういうと佐天さんは苦笑いをしながら言った。
「以前、『幻想御手(レベルアッパー)』事件ってあったじゃないですか…」
確か能力者達が次々と意識不明の事態に陥ったあの事件か。
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