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-とある公園-
あの後、俺達はそれぞれに別れて解散した。そして俺は今、いつもの公園まで来ていた。そして違和感に俺は気付く。
今は昼間でいつもなら公園にはもっと人が通っているのだが、人どころか野良犬一匹もいない。
「なんか前にも同じような事があった気がするのですが…」
そういえばエミィのヤツと初めて出会った時もこんな感じだったよなぁ…ってなあ、まさかな。
「よぉ、やっと見つけたぜクソガキ」
あ~あ、また魔術師が出て来るパターンですかい。
そうブツブツ言いながらも、俺はその方向を振り向く。瞬間、
俺の中で、時間が止まった気がした。
何故なら、
「兄貴を殺した…男…」
そう。俺の目の前にいた男は、昔、俺の目の前で兄貴を殺した男だった。
そんな俺の反応に、
「やっぱりあん時のガキか、あの時はいくら仕事とはいえオメェの兄貴を殺しちまってすまなかったな」
「だが残念だ。今度はその弟も殺さなけりゃいけないなんてなぁ、ホント残念だ」
心底残念そうな顔をしながら、男は言う。
「俺の名はアルビオ=マグナック。危険人物『涼風翔也』の殺害の為、学園都市まできたローマ正教の魔術師だ」
そして、告げる。
「すまねぇが、死んでもらうぜ。まあそう怖がんな、天国にいる兄貴の所へと連れて行ってやるからよォ」
アルビオはそう言い、背中に背負っていた十文字槍を構える。
俺は、
「ふざけんなよ…。何が仕事だ?何が任務だから死んでくれだ?そんな理由で人の命を奪うんじゃねぇ!!お前のせいで、兄貴は!!」
叫ぶ。己の意志を。
「もしお前がまだそんな下らねぇ理由で人を傷つけようとするなら-」
「-まずは、その下らねぇ現実を吹き飛ばす!」
-あの日誓ったのだから、もう誰も、己自身をも、二度と失わないと-
俺は拳を固く握り締める。そして、
両者はついに激突する。過去に因縁を持つ者達の戦いが始まった-
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