“七夕に棚ぼたならぬ棚妖刀”

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「ええい、冗談言ってないで早く反省文でも書いて授業出ろ!」 そう言って携帯を開き、ベッドへと飛び込む。 「先生。そんなことをしていると、また副校長に怒られますよ?」 「あ、あれは菓子を食べていたからだ」 何やらテレビらしき音声が聞こえてくる。 どうやら携帯電話でワンセグでも観ているらしい。 「食い散らかして片付けない先生が悪いですよ」 「ふっ、しかし今回は問題無い。電源ボタン一押しで証拠隠滅だからな」 「外から音が聞こえたと言われたら?」 「申し訳無い。マナーにするのを忘れていた。――と答えよう」 「ベッドに寝そべっているのは?」 「掃除だと言い張れば問題無いだろう」 「はあ、そうですか。――だそうですよ、小木曾先生」 え? ――といった間抜けな声を出して振り向く。 するとそこには、髪をオールバックに固めた青年らしき男が立っていた。
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