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外に出ると大粒の雨、そして雨宿りもままならぬタバコ屋のシャッターの前に座り込んでいる由美がいた。
和也「お前いったい何者なんだよ??」
由美「お前じゃないから…」
和也「もーいーよ、そうゆうの。いったい誰なんだよ??」
由美「だから由美っ‼」
和也「だから由美って誰なんだよ⁉」
由美「誰なんだよって質問は実に答えにくい。」
和也「くっ💢」
(冷静になれオレ‼冷静に…そう…冷静に…)
和也「歳はいくつだ??」
由美「あなたよりは下。」
和也「そんなことはわかってるよ‼こんな時間に何してんだよ⁉」
由美「俗に言う家出みたいなもんかな。ちょっと違うけど。」
和也「だったら無銭飲食なんてバカなことしないで、とっとと家帰れ‼」
由美「帰る電車賃がない…」
雨脚が強くなるにつれ、由美の体の震えも次第に強くなってゆく…
和也「…着替えとかは持ってきてんだろ??」
由美「うん…でもコインロッカー中…」
和也「だったら早く着替えろよ、風邪引くぞ。」
由美「開けるお金ないもん…」
和也「はっ⁉じゃあなんでコインロッカーなんかに荷物入れたんだよ⁉」
由美「そのときはお金あったからに決まってんでしょ。」
和也「ロッカー開ける金くらいとっとけよ‼」
由美「あんたに110円あげたから開けられなくなったの‼」
和也「…」
昨夜同様、由美に圧倒され始めた和也。
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