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家に着いた和也は濡れた服を脱ぎ捨て、すぐにシャワーを浴びた。
(はぁ~またカッとなっちまった…あいつ雨に打たれてたけど…傘だけで大丈夫かな…いやっ、ダメだもう忘れよう…オレには関係ない…忘れよう…)
忘れようと思えば思うほど、和也の頭の中は由美でいっぱいになった。
シャワーを浴び終え、濡れた頭をバスタオルで拭いながら、洗った物か洗ってない物かわからないスウェットのパジャマを着た。
和也「あ~…タバコねぇ~んだった…まぁ明日が給料日だ…我慢我慢…」
自分に言い聞かせる様な独り言をつぶやき、まだ乾いていない髪のまま布団に寝転び、気を紛らわすかの様にテレビをつけた。
部屋を無造作に照らす青色の光…
その青色の光に映し出される作り笑いのテレビショッピングばかりの明け方の番組がより一層和也をイラつかせた。
和也「あぁーーーっ‼‼‼」
和也は部屋中をかき荒らすかの様に、至るところに散らばっている小銭をかき集め、衣装ケースにしまい込んでいたボアコートをバッグに詰め、由美のもとへと向かった。
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