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どうでもよいと思っていた由美をなぜ追っかけているのか…和也は不思議な感覚に包まれていた。
和也はバイト先から駅裏のホテル街へ通じる近道を急いだ。
由美の姿を見落とさない様、脇道小道へくまなく目を向けたが、由美らしき姿は見当たらず、和也は愛車のリトルカブをホテル街近くのコンビニへ停め、半ヘルをかぶったままホテル街を駆け回った。
和也「どこだよ…ハァ…ハァ…」
日頃運動不足の和也にはホテル街を1周走り回るだけでもかなりの運動であった。
その苦労もむなしく、和也は結局由美の姿が見つけることができなかった。
和也は息が切れ・雨に濡れた重い体引きずる様にコンビニへと戻った。
そしてポケットに入れたままで少し雨に濡れたタバコに火をつけ、リトルカブのエンジンをかけた。
そのとき…
「お~い」
まわりには誰もいない。明らかに和也へ呼び掛けられた声であった。
「おいっつってんだろーが‼‼‼」
罵声に反応する様に後ろを振り返ると、見ず知らずの3人の男が和也を取り囲んだ。
「これでいいっか?」
「あぁ、これでいいや。」
「でも3人乗れなくね?」
和也「はっ??」
相手は見た目格好からして不良少年。
「ちょっとバイク貸してくれない??」
和也「ちょっと他当たってくれないかな…オレ今日すごい疲れてんだ…」
「いいから貸せっつってんの‼‼‼」
そう言いながら1人の少年がいきなり和也に殴りかかってきた。
ゴッ💥
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