始まりの場所

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和也「いやっ…あのっ… 分かりづらいかとは思うんですが、彼女が110円貸してくれたんですけど、結局自分の300円を盗られたってゆーか…」 警察「はぁ?取りあえず免許証見せてもらえる?」 和也は冷や汗をにじませた手で財布から免許証を取り出した。 警察「あれっ?女の子は…?」 いつの間にか由美の姿は見当たらなくなっていた。 警察「佐々木和也さんね、今…20…?」 和也「23です」 警察「あの子は??」 和也「知りません‼さっき会ったばっかで…」 警察「知らない??どう見ても学生だったじゃない‼成人男性がこんな時間に見知らぬ未成年を…」 いつの間にか周りには数名の野次馬が取り囲んでいた。 和也「いやっ‼妹みたいなもんです…💦」 警察「みたいなもん??」 和也「いやっ…妹です‼ さっき妹とバッタリ会って、お金の貸し借りでケンカになって… どこ行ったのか知らないので… その… 知らないって言ったんです… 紛らわしくてすみません…」 警察「ならいいけど、妹だからって学生をこんな時間帯に外…」 和也「すみません、すぐ帰らせますんで💦すみません💦」 数十分に及ぶ警察官の職質と説教にも似た注意を受けた上、なけなしの金をはたいて買おうとしたタバコすら手にできずに和也は帰路についた。
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