20人が本棚に入れています
本棚に追加
短い時間も長く感じることがある、それが相対性理論だ。そして今が多分ソレだ。
痛い沈黙の中、何かが起きると期待した半面、空気に泣きそうになりながらも…そのままジョジョ立ちのままで待った。
どうか……この場の収拾をつけて下さい……………………ッッッッ!!!
『アホだな』
「おせぇよ!!!」
ブハァっと息を吐き出し、ミカゲに怒鳴り散らしてやる。
こうもしなきゃ自我を保ってられません。
「なんだよテメー!何にも起きねーじゃねーか!ふざけんなバーカバーカ!ちねっ!2回死ね!!」
『何回俺は死ねばいいんだよ。それに、話にはまだ続きがある。勝手にはやとちりして醜態晒したのはお前の完全な自爆だ』
う…まさしく正論…。
「……スミマセン」
『よろしい。じゃあ方法を教えよう』
「…はい」
テンションだだ下がりの俺に教えてくれるミカゲ…案外いい奴なのかもな…。
『名前の前に【MDW】と叫んでから名前を言え』
「は?」
何ソレ、えらく簡単だな。
「そんなんでいいのか?てか何でアルファベット?」
『あぁ、いいんだ。だが間違えるなよ?後が面倒だ。あと何故かって?そりゃ…カッコイイからさ』
「言い切りやがった……」
まぁいいか…。
「んじゃあまたシャウトすればいいのか?」
『あぁ、仮面ライダーの最初の変身シーンのように高らかにやるといい』
「何故把握してんだよ」
最近じゃ呟くタイプばっかなんだぞ?響鬼にいたっては変身コールもありゃしない。
そんなことを考えつつ、構えをとる。
足を広げ、
腰を屈め、
左手は斜め後ろ。
右手は前へ突き出し、見えない何かを掴むかのように手を広げる。
ポーズはこんなもんか…。
「…………いくぜ?」
誰もいるわけではない(いるっちゃいるが)後ろをチラ見して、叫んでやる。
「いくぞ!M・D・W!デルフリンガー!!」
次の瞬間…!
最初のコメントを投稿しよう!