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「でも、俺を信じていいのか?
もしかしたら、お前さんを騙して売り飛ばすかもしれないぜ?
その変わった服や『け~たいでんわ』も好事家には高値で売れるだろうしよ」
「・・・・・・大丈夫」
「・・・はぁ~、嬢ちゃん。少しは人を疑うって事を・・・」
「・・・・・・そんな人間なら・・・手柄独り占めしてる・・・」
その言葉にザッツは口をアングリ開けた。
「・・・はっ、そこまで考えての取引ってわけか、まいったねこりゃ」
「・・・・・・冒険者なら、あちこち行くだろうし・・・
噂も耳に入りやすい・・・同業者にも話をし易いし・・・今のわたしには、必要な人」
そう言って食事を終えた海は、うつらうつらし始めた。
あんだけの昼寝しておいて、と苦笑したザッツは、
「しゃーねーなー、ガキ見捨てるのもめんどくさいし、王都と言わずしばらく面倒見てやるよ!
お前さん自身にも興味あるしな!」
ニヤリと男前に笑うザッツを見て、海が心なしか眠そうな目を見開いて言った。
「・・・・・・・・・・・・おじさん、ロリコン?」
「俺はまだ29でおじさんじゃない!
ってかロリコンでもねぇぇぇぇぇぇぇえええええええ!!」
この後、ザッツは五月蝿いとジルに叩き出され、海は異世界での初めての夜をベッドで迎えた。
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