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呼ばれた海がトコトコ歩いてくる。
ザッツは海のことをしっくりくると言う理由で”お嬢”と呼んでいた。
「お嬢、黒狼4匹分で金貨1枚だとさ。これでいいか?」
「・・・・・・相場がわからないから、任せる・・・」
「ああ、そういえばそうだっけな」
この世界の初心者?の海に毛皮の相場が分かる筈もなく、ザッツはその値で構わないとベルに伝えた。
「その娘、どうしたんだい? 貴族のお守りでもしてるの?」
「ちげぇよ。まぁ、しばらくは仕事仲間になる予定だ」
「あんた・・・もしかして・・・・・・」
ベルが冷ややかなザッツを見詰める。ザッツはと言うと「こいつもかよ」見たいな目で睨み返していた。
「言っとくがロリコンじゃねえぞ・・・」
「なんでもいいけどね、質の良いもの持ってきてくれさえすれば」
呻くザッツをさらっと流して、今度は海に向き直った。
「私はベル・リーウェン。このリーウェン洋服店の店長よ、宜しくね」
そう言って差し出された手を海も握り返す。
「・・・・・・ウミ、ハルノ・・・よろしく」
「ウミか、変わった名前ね。でもそれ以上にあなたのその服、変わってるわ・・・」
どうやらセーラー服が随分と気になっていたらしい。
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