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心配した通行人の一人が動かない海に声を掛けたところで、海が跳ね起きた。
そして・・・
ダンッ!!
通行人の視界から消えた。
地を蹴って一足飛びに近くの建物の屋根に飛び乗った海は、騒ぐ通行人を無視して屋根から屋根へ跳躍を繰り返し、自分を突き飛ばした男を追った。
スカートだが良いのだろうか? まぁ、通行人は屋根の上の海など気が付いてもいないが。
強化された跳躍力で追う海と人だかりをぶつかりながら進む男では、やはり明確な差が出るようで、ほどなく目的の男に追いついた。
眼下で走る男を確認しながら、ポケットから黒狼を仕留めた十徳ナイフを取り出す。
銀色のボディから広刃を選んで準備し、男が人だかりを抜けて周囲との距離が出来たところでナイフを投擲する。
そして自分自身もそれを追う様に男に向かって跳躍した。
海の放ったナイフは男の足を掠めて地面に突き刺さる。急な痛みに男は体勢を崩し、走ったままの勢いで倒れこむ。
なにがおこった? それを男が把握する前に、
「・・・・・・めておふぉ~~~る・・・」
ドスンッ!! 「ごべらっ!?」
背中に降ってきた海の衝撃で意識を刈り取られた。
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