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「ったく、何処行ってたんだよ、お嬢?」
「・・・・・・人助け?」
首尾よくザッツと合流できた海は、ザッツと二人で冒険者ギルドに向かっていた。
「何で疑問系なんだよ?」
それは私怨でぶちのめしただけであって、人助けは結果論だからです。
「まあいいや、さっさと報酬貰って登録済ませんぞ。宿見つける前に暗くなっちまう」
西部劇でよく見かける両開きのウェスタンドアの建物についた。盾と剣が交差した意匠の看板が付けられていて、これが冒険者ギルドを表す看板らしい。
建物に入ると真っ先に手短なカウンターの20代そこそこの受付嬢の所に向かう。
「おっす、カロカ村の黒狼退治終わったぞ。確認取れてるか?」
「はい、カロカ村の村長より確認書が届いています。
相変わらずの早い仕事ですね。
あ、これ報酬です、ご確認下さい」
渡された皮袋の中身を確認して、満足そうに頷くザッツ。
「ま、黒狼ならこんなもんだろ。
それと今日はこいつを登録して欲しくて連れてきたんだ、手続き頼む」
後ろでボ~としていた海の背を押して前に出す。
「・・・・・・とうろく、よろ」
「・・・・・・この子、ですか?」
受付嬢は笑顔が引きつる。ザッツとしてはしょうがないと思うので、さっさと登録だけ済まそうとした時だった。
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