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「……ん、よろしく」
先程まで互いに大怪我をしてもおかしくない戦いをしていたというのに、アレイディアの一礼に片手をあげて応える海。
その二人は置いておくとして……シルフィオナはフォーリナリアの瞳にしっかりと視線を合わせる。
「フォーリナリア様、この一連の騒ぎの真意をお聞かせ願えますか?
仮にも四大貴族の一角であるエルフィール邸での暴挙……例えフォーリナリア様とあっても許されない行いかと存じますが?」
歳の差も立場の差もあるシルフィオナだが、フォーリナリア相手に全く怯まず睨みつけるシルフィオナ。
だがそんな圧力を受けてなおフォーリナリアは楽しそうに笑う。
「へぇ、なんだか強くなったわね~。
前は毅然としているように見えても人の顔色を窺う様なところがあったのにね。
もしかして海ちゃんの影響かしら?」
「ふぉ、フォーリナリア様っ!」
海を引き合いに出されたからか、厳しかった表情がやや崩れ照れを隠すようにシルフィオナの語気が高くなる。
「冗談冗談……と言う事にしておきましょうか。
えーっと、この屋敷を狙った理由だっけ?
そんなこと。海ちゃんと遊んでみたかったからに決まってるでしょ?
……ああ、でもシルフィちゃんが思ったより早かったから私が遊べなかったけどね」
「あ、遊ぶ、ですか?……こ、こんなのが遊びだと言うのですかっ!?」
「落ち着いて下さい、シルフィオナ嬢。姫様も言葉を選んで下さい」
いきり立つシルフィオナをアレイディアが静かな声で落ち着かせる。
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