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別の世界からやってきたとは知らないフォーリナリアにとっては、海が求める情報もその目的も大きく関心を惹かれる要因の一つ。
神器が海の手にあるという事、海のその行動の過程あるいは目的そのものに世界を揺るがす事態が待っているのではと思っているのだ。
そんな事態が起こったとして、その中心に自分が居ない事は我慢ならない……そういう人物なのだ、フォーリナリア・ヘルム・ファールスとは。
「次は南のグラントへ行くのよね?
久しぶりの長旅になりそうだし、上手くいけばエルフの里に入れるかも……ふふふ、楽しみだわ」
「……よろしいのですか? 流石に国外への遠征は国王様や王妃様もよい顔をしないと思いますが?」
「大丈夫よ、既に手は打ってあるから。
それにエルフと繋がりが持てれば、十分に国益に繋がるでしょ?
ま、その為には上手い具合に海ちゃんやシルフィちゃん、後はエルフの子達と仲良くならないとね」
その割に今回は無茶をし、シルフィに関してはマイナス評価を受けたといっても良いのに気にした様子もない。
「それから……アレイディアもちょっと気を引き締めておいてね?」
「……何か懸念がお有りで?」
アレイディアの質問にフォーリナリアは唇の端を僅かに緩めただけで答えず、馬車の窓から通りを眺めただけだった……
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