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ドゴンッ! 「ぶへぇ!!」
男は壁に叩きつけられて動かなくなった。
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ザッツ、受付嬢、ギルドにいたその他の冒険者達。
誰もが事の成り行きに付いて行けない中、海だけがゆっくりと眠そうな表情で受付嬢に向き直る。
「・・・・・・つづき、いい?」
「え、は、はいいぃ!! こ、こちらにご記入下さいっ!」
慌てて登録用の書類を差し出す受付嬢。先程まであった疑心は完全に消え、恐怖に近い感情が取って代わっていた。
そんな彼女の心情などお構いなしに、海は書類に目を向ける。
「・・・・・・ザッツ」
「あ?・・・ああ、どうした?」
「文字・・・読めない・・・ついでに、書けない・・・よろしく」
なぜか言葉には不自由してないが、読み書きまでどうこうなるほど甘くは無いようだ。
「おう、わかった・・・・・・にしても、なんつーか、アンバランスだな、お前さん」
苦笑いして、書類に必要事項を書き込んでいく。
正直なところ、異世界の話はともかく黒狼を倒した事は半信半疑だったザッツ。だがこの一件で海の実力を認めたことにより、更に興味が深まったのを感じていた。
「ほいよ、こんなもんでいいだろ」
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