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(・・・・・・今のは、殺っちゃったか・・・)
手応えは充分過ぎた。殺すつもりはなかったが、強化された能力の力加減が効かなかった。
(・・・・・・ま、しょうがない)
弱肉強食は世の常だ、気にしても仕方がない。
それで割り切れる彼女は一体何者なのだろうか? 一介の中学生とは思えないが。
口を開けて間抜け面を晒している女性は置いといて、残りの3匹に向き直る。
仲間がやられた以上、引きはしないだろう。
警戒して海の周りを囲んでいた一匹が横合いから飛び掛ってくるが、半歩だけ体を下げてかわす。
どうやら動体視力も強化されているようだ。
そして、恐らく・・・
ゴキッ!
腕力も・・・
飛び掛ったオオカミが正面を通り過ぎる前に、その首を掴んで捻った海は、オオカミが動かなくなったのを確認して地面に横たえる。
後2匹・・・
オオカミ達は瞳に怒りと悲しみを混ぜ、海の周りを高速で廻り始める。
狙いを絞らせず、隙が出来た所を仕留めるつもりだ。
だが、身体能力が強化された海は力技でこれを破った。
その動体視力で一匹に狙いをつけ、その速力で一気に間合いを詰めたのだ。
オオカミは咄嗟に喰らいつこうとしたが、その口を塞ぐ様に異物が叩き込まれる。
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