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「で、隣の人間は誰よ?」
手を止め、巫女は顔を上げた。
頭には大きな赤いリボン。
赤と白を基調とした服。
リボンはともかく、これは巫女装束なのだろうが、何故か脇が露出している。
今は置いておこう。
「喜びなさい。新しい住人よ」
「……へえ」
二文字の返事は、あまりに素っ気ない。
しかし、彼女の心情を察するには充分だった。
「あんたねぇ、勝手に外から連れ込むの止めなさいよ。結界を直すのもね、大変なのよ!」
巫女は面と向かって、紫さんに不満をぶつけた。
僕の見た限り、彼女と紫さの間柄は親しいようだ。
しかし妖怪相手に、よく啖呵を切れるものだ。
ひょっとしたら、この巫女も妖怪なのかもしれない。
そんな憶測が脳裏を過るが、彼女の雰囲気は妖怪のそれと全く異なる。
ほんの少し、神秘的に感じた。
「よく聞きなさい。新しい住人って、私は言ったのよ?」
「はぁ?」
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