42人が本棚に入れています
本棚に追加
「こんばんわ」
不意に声が響いた。
僕は勢いよく振り返る。
そこには女性が一人。
「ふふふ、驚いているようですわね」
女性は日傘を差し、優雅に微笑んでいた。
それだけでもとても神秘的な姿に見える。
「私の名は八雲紫。あなたは?」
「僕のこと……か?」
「あなたしかいないでしょう?」
あまりに突然すぎて、つい聞き返してしまった。
周りを見たが僕と彼女以外には、ただ真っ白な世界が広がっているだけだった。
「僕は…」
戸惑いながらも答える。
「和葉……葵和葉だ」
最初のコメントを投稿しよう!