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頭の中でいろいろな考えが巡っている。
ここはどこのなのか、この人は一体誰なのか、僕の身に何があったのか。
そして僕は…これからどうなるか。
「安心して。ここは貴方の夢の中よ」
「え……ゆ、夢?」
ええ、と八雲紫は頷いた。
「でもこれから言うことは真実。夢の話で終わらせないでほしいの」
「なら夢って言っちゃ駄目なんじゃ……」
呆れる僕を無視して、彼女は続ける。
「私は幻想郷という世界の住人ですわ。幻想郷というのはこの世界ではない、もう一つの世界のこと。私は貴方のいる世界と幻想郷を行き来できる唯一の存在で、私がここにいるように現代に渡ることができるの」
理解できるかしら?
とでも言いたげな顔で微笑(わら)った。
僕は何も答えない。
彼女はそれを肯定と受け取った。
「私がこんなことをする理由は単なる暇潰し。手頃な人間を捕まえて私たちの世界、幻想郷に連れていくの」
僕は尋ねた。
「人間を選ぶ基準は?」
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