悪夢であってほしい

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夕食は基本的にバラバラです。 印刷所をやっている父と母は忙しい為母が作ってくれた食事をそれぞれが食べるといった感じなのです。 女ばっかりの4姉妹で私は三女… 集まると喧嘩ばかり… 近所迷惑はなはだしいなんてものではない。 がそんな中でも今日ばかりは違います。 母から聞いたようでその事には誰一人として触れない…触れないようにしていたのかもしれません。 そして父や母も仕事を終えて晩酌をしながら私の話を皆にもし始めました。 『お腹に腫瘍があるみたいで入院して手術することになったから。まだ詳しい事は検査しないとわからないけど破裂してしまう可能性もあるから早めにしましょうって先生から言われたの』 ……『原因は何なの?』 と姉が尋ねました。 『原因はわからないけど痛みとかないから発見が遅くなってしまうみたい。人によってはそれが捻れて救急車で運ばれて気がつくこともあるって言ってた。』 『とにかくこうなったら先生に任せるしかないからみんなもそのつもりでいて』 あ…辛い… 父の顔を見たらただビールを飲んで一言も言いませんでした。 布団に入り寝ようとしても全く眠れず朝を迎えてしまいました。
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