愛すべき天使へ

妊娠

ｺﾝｺﾝ、ｺﾝ。
「入ってますか?」
女の人の声ではっとなり外に出た。

部屋に戻り、考える。
厳しい親、嶺を愛していないこと、嶺に愛されていないこと、大学のこと。
この時は、『堕ろすしかない。』という考えしかなかった。

ただ、手術への不安が大きかった。

高校３年生の時に、妊娠して子供を産み、結婚した友人がいる。
その子に産婦人科について聞くことにした。