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琉唖が驚くのにも疑問はない。
このクラスになって5ヵ月がたとうとしてる今、席替えというものは初めての出来事なのだ。
「では、やるぞー」
先生の言葉が合図のようにクラス中がどっと話し声に包まれた。
今の琉唖と遥樹の席はとても遠い。
それに、琉唖の席の方が前なので授業中見る事が出来ないのだ。
そんな琉唖にとって席替えはとても嬉しいものなのである。
くじ引き形式にやるらしい、席替え。
先生の手伝い係の人達がみんなに配り出す。
「みんな行き渡ったかー?貰ってない人はいないかー?よし、いないな」
そう言い、黒板に数字を書き出した。
席の図を書き、そこに数字を書き、自分の数字が書いてある席に移動する。そういう仕組みだ。
琉唖の数字は13。どこになるかは数字を書いている先生次第だ。
絶対何があっても一番前は避けたい。
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