第壱章

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この時新撰組の居る甲斐国はいろいろな噂が流れていた。 その噂とは相模の北条、駿河の今川と武田が同盟を結ぶと言う話であった。 だが未来から来て歴史を知っている新撰組にはたいした話では無かった。 そして近藤はこの期をいかして躑躅ヶ崎を取り信玄に実力を見せつけようとしていたのだ。 「最後に伊東、頼む」 もう皆が終わりだろうと思っていた頃に伊東が呼ばれた。 「はっ、四日後に三国同盟締結のため信玄は館を空ける。その隙を突いて館を奪取する」 この伊東の発言には皆が驚いた。 味方になる信玄の本拠を取れば信玄が味方になるかわからなくなるからだ。 「面白い策だな」 義経は局長の意図がわかったのかニヤリと微笑んだ。
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