第壱章

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「策は簡単だ。まず風神衆と雷神衆が館に突入する。」 その策に一同が仰天した。 いくら総司や弁慶であっても相手の本拠に二部隊で突入するのは死にに行くようなものだと思っていた。 だがこれはあくまで風神、雷神衆の強さを知らぬ隊士だけであった。 近藤や土方、義経や伊東はすでに風神、雷神衆の強さを目で見て実感しているのでむしろ大丈夫だと確信していた。 「風神衆と雷神衆なら心配はいらぬ」 立ち上がった弁慶はどよめく組長達の方を向き叫んだ。 弁慶はどよめきを沈め組長達の不安を取り除くと共に自分にも言い聞かせているようだった。 「あと一時間程で出立する。各自兵をまとめ準備しとくように、以上解散!」 慌てて各自隊舎に戻ると兵の準備を始めた。
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