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「ロックギタリストをねえ……」
こんな商業的な音楽にロックも糞もない。つまり、ロックを奏でないギタリストはロックギタリストには成り得ないのである。
草野はこういう音楽にロックという言葉を使われることを毛嫌いしていた。だが、そんな草野もそれに力を貸す方の人間になろうとしているのだ。草野自身、その事に葛藤もある。
「レコーディングは、もう別のギタリストで行われて終了しているので、草野さんが参加するのはこれからのPR活動のための演奏とライブです」
話過ぎて喉が渇いたのか、丸子は買っておいたアイスコーヒーを一気に飲み干し話を続ける。
「とりあえず、来週打ち合わせがありますから参加して下さいね」
丸子がそろそろ次の予定の時間の為、二人は席を立った。さっきアイスコーヒーを一気飲みしたのはその為だったらしい。
駐車場に着くと丸子は、また連絡すると草野に告げ、一礼してお互いにその場を離れた。
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