自虐・自爆・自棄します

2/2
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
冴:「ラヴィちゃんラヴィちゃん。これ見てよ」 L:「なによ」 冴:「黒猫コスしてみた」 L:「……だから?」 冴:「可愛いでしょ」 L:「……主観は人それぞれだと思うわ」 冴:「てなわけで、シュヴァルツ・カッツェ入れれ」 L:「『てなわけで』につながる意味がわからないんだけど」 冴:「いいから入れれ。女で黒猫なら入る権利あるでしょ」 L:「いやよ、だって……」  意味深に言葉を切るとラヴェンダーは黒猫(冴月)を上から下まで眺めて行った。 L:「うちに入れるのはお嬢様だけだもの」 冴:「はうっ」 L:「それだけの身分と財力はおあり? 」 冴:「な、ないです……どちらかというと庶民派属性です。頭脳派肉体派セクシー派に次ぐニュージャンルの」 L:「残念ね~。だったらグロウのところにでも行ったら? あそこなら誰でもウェルカムよ」  そう言って高笑いするラヴェンダーに、黒猫はキッと顔を上げて言った。 冴:「……そんなこと言うなら、いいもん。ジェイのとこ行くから」 L:「え!?」 冴:「ペットとして可愛がってもらうんだもん」 L:「ちょっ!?」 冴:「ついでにペットと結ばれる話にしてやろうかな。やーいラヴィちゃん失恋失恋!」 L:「ちょっと! このへたれ猫!」 冴:「作者に逆らうからだ。バーカ! 財力より権力より作者が一番強いんだバーカ!」 L:「バーカって……」 冴:「へたれにゃめんなよ!」  そんな宣言を残し、鈴の音と共に駆け去っていく黒猫×2。  呆然とそれを見送ったラヴェンダーは、正気に戻ると急いで携帯を取りだした。 L:「ジェイ! そっちに変なへたれ猫行かなかった!?」 J:「なんなんだいきなり電話かけてきて。商談中だぞ」 L:「そんなのどうでもいいのよ! 明日の株価より珍妙なへたれ黒猫の行方よ!」 J:「意味がわからん。そんなのは情報屋にでも探してもらえ。こっちは忙しいんだ」  そんな言葉と共にぶちり、とジェイは携帯をきった。 L:「なっ……!」  ラヴェンダーは青ざめると、急いで携帯アプリを立ち上げて航空チケットを支配すると、機上の人になりましたとさ。 →続く!image=377870468.jpg
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!