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冴:「ラヴィちゃんラヴィちゃん。これ見てよ」
L:「なによ」
冴:「黒猫コスしてみた」
L:「……だから?」
冴:「可愛いでしょ」
L:「……主観は人それぞれだと思うわ」
冴:「てなわけで、シュヴァルツ・カッツェ入れれ」
L:「『てなわけで』につながる意味がわからないんだけど」
冴:「いいから入れれ。女で黒猫なら入る権利あるでしょ」
L:「いやよ、だって……」
意味深に言葉を切るとラヴェンダーは黒猫(冴月)を上から下まで眺めて行った。
L:「うちに入れるのはお嬢様だけだもの」
冴:「はうっ」
L:「それだけの身分と財力はおあり? 」
冴:「な、ないです……どちらかというと庶民派属性です。頭脳派肉体派セクシー派に次ぐニュージャンルの」
L:「残念ね~。だったらグロウのところにでも行ったら? あそこなら誰でもウェルカムよ」
そう言って高笑いするラヴェンダーに、黒猫はキッと顔を上げて言った。
冴:「……そんなこと言うなら、いいもん。ジェイのとこ行くから」
L:「え!?」
冴:「ペットとして可愛がってもらうんだもん」
L:「ちょっ!?」
冴:「ついでにペットと結ばれる話にしてやろうかな。やーいラヴィちゃん失恋失恋!」
L:「ちょっと! このへたれ猫!」
冴:「作者に逆らうからだ。バーカ! 財力より権力より作者が一番強いんだバーカ!」
L:「バーカって……」
冴:「へたれにゃめんなよ!」
そんな宣言を残し、鈴の音と共に駆け去っていく黒猫×2。
呆然とそれを見送ったラヴェンダーは、正気に戻ると急いで携帯を取りだした。
L:「ジェイ! そっちに変なへたれ猫行かなかった!?」
J:「なんなんだいきなり電話かけてきて。商談中だぞ」
L:「そんなのどうでもいいのよ! 明日の株価より珍妙なへたれ黒猫の行方よ!」
J:「意味がわからん。そんなのは情報屋にでも探してもらえ。こっちは忙しいんだ」
そんな言葉と共にぶちり、とジェイは携帯をきった。
L:「なっ……!」
ラヴェンダーは青ざめると、急いで携帯アプリを立ち上げて航空チケットを支配すると、機上の人になりましたとさ。
→続く!
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