第3話 …ホームシェア?

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   ◆ ◆ ◆ ――「爺さん、俺も部屋借ります。」 大西君がこれを言った日から約一週間。 私たちは忙しい日々を送っていた。そう、引っ越し作業である。 「隼斗、手伝って!」 「俺もまだ終わってねーんだよ。」 バカップルのこんな会話を聞くのも今日で最後にしたいところだ。 「お…重い。」 小型テレビは侮れない。 すーっごく重い。 ケチらず業者さんに頼めばよかった、と最も後悔した瞬間だった。 それでも他に頼れる人もいないので、私は階段を一段、また一段とゆっくり上りはじめた。
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