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「おい。俺もついてってやるよ。」
またもや私は重本君に助けられた。感謝してもしきれないかもしれない…。
「…いいの?」
「いいも何もねーよ。散歩がてらだよバカ。」
重本君は私のかばんをさも当然であるかのように取って肩にかけ、「ホラ、行くぞ。」と歩き出した。
「あの…重本君。」
いつも通り歩くのでは追いつかないから、ちょっと小走りしつつ、私は重本君に話しかけた。
「航。」
「え?」
訳の分からない返事に動揺する。
「航でいいよ。その…苗字好きじゃなくって…だからっ!
航って呼んでくれ。」
耳まで赤くなった重本君はさらにスピードが速くなってしまった。
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