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「あらっ!」
聞いたことのある、なんだか懐かしい声が聞こえた。
俺がずっと聞きたかった声。
俺の不安は一瞬にして吹き飛ばされた。
「あのときはどーも」
愛想よく、彼女はペコリと頭を少し下げた。
覚えててくれたっ!
俺は会えたことの嬉しさより、自分のことを覚えていてくれたことに大喜びした。
でっ…でも…。
俺は軽く頭を下げる。
喜んでいるということがバレたくなかった。
少しでも落ち着いている様子を見せたかったのだ。
かっこよく、少しでもかっこよく見てもらいたかったのだ。
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