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「!」
ふと、彼女と目が合う。
「あ…」
彼女は少し慌てたように顔をぬぐった。
「結果、どうでしたか?」
ニッコリと曇りのない笑顔を見せた。
その顔に一瞬反応してしまったが、俺は平常心を保ちつつ言い放った。
「………合………格しましたよ」
少し俯きながら俺は呟いた。
彼女の顔が見たくなかった。
しかし──────。
「よかったですねぇ!」
予想と反して彼女は明るい声を上げた。
え?
そっちは落ちたんじゃないのか?
落ちたのに…そんなに喜んでくれるのか?
彼女は自分のことのように喜んでくれた。
自分は辛いはずなのに…。
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