出会い…そして失踪

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「はいっ!…あれ?受かった…んですよね…?」 それはこっちのセリフだ。 えっ?受かってたの? 俺の心配は…なんだったの? そんな気持ちが俺の中で渦巻いていた。 俺は思いっきり息を吸った。 「なぁぁぁんっだよっ!」 さっきと同じぐらいの音量…いや…さっきよりも大きかったのかもしれない。 俺は腹の底から声を出した。 そしてしゃがみこむ。 とてもじゃないけど、立っていられなかった。 「えっ?えっ?」 彼女は戸惑っている。 無理もない。さっきまで話をしていたヤツが急に叫び出したんだから。 「はぁぁぁああ…」 俺はため息をついた。 なんなんだよ…。 「…大丈夫ですか?」 彼女は手をさしのべてくれた。 俺はずっとしゃがんでいた。 受かってたというショック…ではないけど…。 いや…むしろ逆だな。 受かってたという喜びと安心感により、俺の足には力が入らなかった。 スー…ッ 俺はゆっくりと息を吸って、勇気を出して言い放った。 もちろん、ヘタレな俺はずっとアスファルトを見ていたんだけど。 「とりあえず…アレを受け取ったら… お茶でも飲みませんか?」
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