13人が本棚に入れています
本棚に追加
「はいっ!…あれ?受かった…んですよね…?」
それはこっちのセリフだ。
えっ?受かってたの?
俺の心配は…なんだったの?
そんな気持ちが俺の中で渦巻いていた。
俺は思いっきり息を吸った。
「なぁぁぁんっだよっ!」
さっきと同じぐらいの音量…いや…さっきよりも大きかったのかもしれない。
俺は腹の底から声を出した。
そしてしゃがみこむ。
とてもじゃないけど、立っていられなかった。
「えっ?えっ?」
彼女は戸惑っている。
無理もない。さっきまで話をしていたヤツが急に叫び出したんだから。
「はぁぁぁああ…」
俺はため息をついた。
なんなんだよ…。
「…大丈夫ですか?」
彼女は手をさしのべてくれた。
俺はずっとしゃがんでいた。
受かってたというショック…ではないけど…。
いや…むしろ逆だな。
受かってたという喜びと安心感により、俺の足には力が入らなかった。
スー…ッ
俺はゆっくりと息を吸って、勇気を出して言い放った。
もちろん、ヘタレな俺はずっとアスファルトを見ていたんだけど。
「とりあえず…アレを受け取ったら…
お茶でも飲みませんか?」
最初のコメントを投稿しよう!